家賃並みで家が買えるは本当か?
「家賃並みのお支払いえマイホームを」
こんなうたい文句の不動産広告を一度は見たことがあるかと思います。
果たして、家賃並みで家が買えるは本当なのでしょうか?
今回は、住宅購入の本質について触れたいと思います。
この問題を考える前に、根本的な指摘をしておきます。
家賃を払った結果、家計はどうなるのか?という点が重要なのです。
家賃を払うと貯金ができない人は、家賃並みの返済で家を買うべきではありません。
理由は分かりますよね。
家賃を払って貯金ができない人は、同じ金額の住宅ローンを払ったらもっと貯金ができなくなります。
当然の理屈です。
何故なら固定資産税がかかるから、マンションの場合は加えて管理費修繕積立金がかかりますからね。
家賃並みの返済で家が買えるか買えないかの答えも書いてしまいましたが、結論は、「家賃並みの返済で家は購入できるかもしれませんが、支払いは同じにはならない」という事です。
さて、住宅ローンには変動金利と固定金利があります。
現代の超低金利社会においては、今後金利が下がることは非常に考えにくいです。
ということは、変動金利で借り入れした場合、現時点では家賃並みのローンかもしれませんが、金利の上昇に伴い返済金額も上がる可能性が高いと言えます。
この場合は、「今は家賃並みで家が購入できるが将来は家賃よりも高額になる可能性が高い」と言う結論になりますね。
変動金利の事を書くと、「ウチは固定金利だから大丈夫」という方もいらっしゃるでしょう。
固定金利とは、住宅ローンの返済期間中ずっと返済が変わらない。という商品です。
一見、安心っぽいです。
例えば35年の住宅ローンの場合、35年間返済が変わらない。
ということです。
では、視点を変えて思考してみましょう。
ここに一つの賃貸用新築戸建てがあります。
家賃は毎月20万円です。
もう一つ賃貸用中古戸建があります。
家賃は毎月20万円です。
立地は全く同じです。
さてあなたはどちらの一戸建てを借りますか?
立地条件が同じならだれでも新築を借りると思います。
そろそろ気が付きましたか?
長期の固定金利で家を買うということは、築年素が古くなった家にも同じだけの家賃を支払って借りるのと本質的に同じだということなのです。
固定金利と書きましたが、超低金利社会においては変動金利も同じです。
賃貸の場合、築年数が古くなると家賃は下がります。
しかし、住宅ローンの場合古くなっても支払いは変わらないのです。
結果的に言うと、長期間的視点で見ると、家賃並みで家を購入することは不可能という事になります。
ローンが終われば支払いが無くなるじゃないか。という意見も出そうなのでこちらも触れておきましょう。
もちろん、返済が終わってしまえば住居費は非常に少なくなります。
先ほど敢えて書きませんでしたが、持ち家の場合修繕費は自分の負担になります。
賃貸の場合は、貸主負担になります。
ここでも、賃貸の方が圧倒的に優位です。
更に、建物には寿命というものがあります。
住宅ローンが終わった不動産を永遠にそのまま使うことはできません。
従って戸建ての場合は必ず建替えの問題が発生し、マンションの場合は大規模修繕の問題が発生します。
どちらにしても大きな出費が必要になります。
「家賃並みの返済でマイホーム」というのはあり得ない。ということ。
「家賃並みの返済でマイホーム」というのはしょせん不動産会社のセールストークにしか過ぎないということ。
これが本質です。