広い家に住めば貧乏になる
友人が家を探し始めたらしい。
不動産業をしているので、私に家探しを依頼したいとのこと。
マイホームを持つことは家庭も仕事も上手く行っている証拠。
喜ばしいことです。
しかし。
私は不動産業らしからぬアドバイスを送った。
「広い家に住めば貧乏になる」と。
どういうことか私見を述べますね。
まず、当然の事ながら家が広ければ広いほど維持管理にお金がかかります。
光熱費がかかることは言うまでもありませんが、広ければ広いほど固定資産税の負担も増えます。
家を広くすると、置ける荷物も増やせます。
しかし、荷物が多くなればなるほど、使う頻度は減ります。
使う頻度が低いものを置いて置くためのスペースを作ることになるのです。
しかも、広い家が本当に必要な期間は思ったよりも少ないのです。
子供が中学生になるころから大学を卒業する頃まで、もう少し長くても結婚するまでです。
13歳から22~30歳程度です。
その期間9~17年。
その為に35年ローンを組んで家を買う。
ナンセンスです。
子供が独立した後、その広い家には夫婦2人。
どうしますかね。
更にアドバイスは続きます。
35年ローンを組む本質的な話です。
ローンとは、将来の収入を今、使う行為であること。
35年間病気もケガもしない保証はどこにもありません。
「まさか」という坂が人生には転がっているのです。
よく、「家賃と同じだから」という理由で購入する人がいますが、その思考は非常に危険です。
そして次のアドバイス。
「家は金を生まない」
家は財産と思っている人が多いと思いますが、家は財産ではありません。
金を生む資産のことを財産と言います。
金を生まず、維持費だけがかかる自宅は財産ではありません。
負動産です。
そう言うと、賃貸は捨て金なのだから、ローンで自分のものにした方が得ではないか?という意見をいう人がいます。
確かに、家賃は使用料ですから捨て金です。
工業生産品にライフサイクルコストという言葉があります。
製品を作る所から廃棄までの全過程のコストという意味なのですが、賃貸VS持ち家もこれと同じです。
何年生きて最後に処分価格がいくらだったのか?という所まで計算する必要があります。
離婚する可能性だって大いにありますしね。
どちらが得なのか?
という思考よりも、もっと大切なことがあります。
それは何なのか?
世の中の変化、自分の変化に対応できるのか?ということです。
前述した通り、家族構成も変化が生じます。
自分の健康状態も同様ですし、離婚するかもしれない。
問題は「どう転んでも大丈夫」な状態にしておくことです。
そうすれば、不動産の悩みで苦しむことはないでしょう。