日本の労働環境、最大の失敗とは?
この国は一体どこに向かっているのだろうか。
日本の国の最大の失敗は、ベースアップという仕組み。
元は終身雇用制という制度の中から出たこの発想。
「本人の能力の多寡にかかわらず昇給する」という実に恐ろしい仕組みです。
大切な事なのでもう一度書きますが、本人の能力が上がらなくても給料が上がることをベースアップと言います。
本人の能力が上がらなければ、労働生産性が上がるはずもありません。
にもかかわらず、報酬だけが上がるという摩訶不思議な制度。
あり得ない制度です。
この制度があるが為に、企業は社内研修をする必要に迫られます。
労働生産性の悪い社員をなくすために。
しかし、社内研修自体が労働者の労働時間を使い、高額な講師を呼んで行われているのですから、無駄という以外に言葉が見つかりません。
経営者の観点でいうと、生産性の高い労働者には必要のない研修を生産性の低い労働者のために行うという行為です。
投資の観点で言うと、自身の労働力は自分が得られる報酬に直結するのですから、自己の労働力を高めるには労働時間以外の時間を使って自己投資するのが当たり前です。
自己投資すればするほど、自身が得られる報酬は変わる訳ですからね。
自分の能力が向上すれば、ヘッドハンティングだってあり得えます。
もう一つ最悪な制度があります。
それは、最低賃金規定。
本人の能力に関係なく、最低でもいくら以上の賃金を払えというもの。
例えば5,000円の価値しかない掃除機に10,000円の値札をつけるようなものです。
この制度により、能力の低いものは仕事に就けないという弊害をもたらしました。
例えば筆者の住んでいる神奈川県では現在最低時給は930円。
一時間当たり930円を必ず払わなければいけないので、本人の能力が930円に満たないと判断した場合、その人間を雇用することはできません。
逆に言えば、時間当たり500円の能力しか持たぬものは仕事に就けないのです。
では最低時給制度を外したらどうなるのか?
時間当たり500円の能力しか持たぬ者も仕事に就くことができます。
時間当たり3,000円の能力を持つ者も仕事に就くことができます。
正に資本主義社会のあるべき姿です。
最近VALUというサービスが始まりました。
自分の価値を勘案し、自分の株を発行することができます。
価値の高いものにはそれなりの、低いものはまたそれ相応の価格が付けられます。
現代の日本は、雇用側が雇用条件を提示して、労働者はそれに応募する形ですが、「自分の価値は自分で決めたらどうか?」と筆者は考えています。
自分が働くことができる時間、欲しい報酬を労働者が自分で提示するのです。
報酬については、最低落札価格を決めて入札でも面白いかもしれません。
もちろん、自分のスキルは相手に伝わるようにしなければいけませんが。
この発想に似たサービスがありますね。
【ココナラ】というサービス。
このサービスは正に個人のスキルを売っている所です。
社員として入社を希望してるのではなく、自分ができることをアウトソーシングという形で売っています。
正に、「能力を売るマーケット」です。
少し話が逸れますが、ココナラのサイトで売っているものを見ていただきたいと思います。
肝心なのは売っているモノではなく、「説明文」
売れているサービスの説明文と、売れていないサービスの説明文。
それはもう全然レベルが違います。
商品やサービスが売れるのは、そのモノが良いから売れるのではなく、「良さそうだから」売れるのです。
良さそうと思ってもらうためには、説明文が何より重要です。
その説明文が稚拙だとモノは売れません。
これは、就職の面接でも同じ。
自分という商品の商品価値を言語化しなければ相手に伝えることはできません。
話が逸れましたが、働き方改革により副業も推奨されていきます。
いずれは労働者が自ら自己PRするマーケットもできるでしょう。
積み重ねるスキル、自分の価値を言語化できるようにしておくことは非常に重要です。