最低賃金制度がもたらす恩恵と弊害

私がアルバイトを始めたのが16歳。
当時時給は500円でした。

時は1986年。バブルへの階段を上っていく直前。

1986時の消費者物価指数は85.86。
直近の消費者物価指数は100.89です。

つまり、消費者物価指数は117.50%上昇したということです。

一方、給料はどうなったか?
1986年当時は500円
私の住む神奈川県では930円ですが、直近の全国平均で見ると823円。

つまり、給料は164.6%上昇したということです。

明らかにおかしいことは言うまでもありません。
もちろん消費税の導入や社会保障費の増加という要素はあります。

しかし、物価は17%しか上がっていないのに、給料は64%も上昇しているのです。
強い違和感を覚えます。

労働者優遇と言うしかありません。

さて、この結果どういうことが起こり得るか思考を巡らせたいと思います。

最低時賃金の制度は、労働者の実力に関係なく一定水準以上の対価を払うというものです。

一般市場において、価値のないものにお金を支払うことはありませんが、最低賃金制度は価値のないものにもお金を払えという制度です。

経営者なら当然、価値のないものにお金を払うことはありませんから、必然的に労働者を雇用しなくなります。
労働者を雇用しなくなるとどうなるのか?

失業者が増えます。

直近の失業率は3.07%と過去の推移から見るとそれほど高くはないように見えますが、失業率とは仕事を少しでもしていれば除外されます。

従って、週に2日パートで働いても失業しているとはみなされません。

統計が見つかりませんでしたが、最低賃金が上昇した結果、短時間労働者が増えることは想像に難しくありません。
結果、所得平均値は減少していると推測されます。

賃金を上げれば法人の利益が少なくなりますから、雇用を減らすことは必然です。
ただでさえ、コンピュータの進化により、圧倒的に「人」がいらなくなっていますからね。

労働者を手厚く保護すれば保護する程、経済は弱体化していきます。

「働かざるもの食うべからず」という格言がある通り、十分に働かないものに十分な給料を渡すということは不可能です。

1人当たりのGDP。世界の中で日本は18位。

この先もっと落ちて行くでしょう。

最低賃金を決めて企業を縛るよりも、国としてもっと先にやることがあります。

それは、教育です。

働くということの意味。
給料は何故もらえるのか?という意味。
最低賃金をもらうために必要なスキルとはなにか?

これらの教育無くして、労働生産性は上がりません。
結果、給料を払う価値のない人間が世の中に排出され続けるのです。

価値のないものに払うお金などない。ということです

日本の教育が経営者視点でできれば、日本の労働生産性は激しく増加するのです。
日本人は基本的に勤勉で真面目ですからね。