国民健康保険、介護保険ってバカ高!どうにかして安くする方法はあるか?
国民健康保険。
高いなぁ~と思っている方がとても多いと思います。
私自身は現在社会保険でしたが昔、国民健康保険に加入していた時期があります。
国保は年間10回に分けて支払うシステムで、マックスの52万円(だったと思います)を支払っていました。
忙しくて病院など年に数回行くか行かないかなのに、なぜ年間50万以上も払わなければいけないのか非常に腹立たしい思いをした記憶があります。
今回は国民健康保険の制度を知ることで安くする方法を考えてみました。
国民健康保険の制度とは?
安くする方法を探すためには、制度そのものを知る必要がありますので、まずはそこから解説したいと思います。
社団法人国民健康保険中央会からの抜粋です。
国民健康保険(国保)とは、病気やケガをした場合に安心して医療を受けることができるよう、加入者が普段から保険料(税)を納め医療費の負担を支えあう、助け合いの制度です。
国保は、すべての人が何らかの医療保険に加入することとなっている我が国の「国民皆保険制度」の中核として、地域住民の医療の確保と健康の保持増進に大きく貢献しています。
なお、国保は、市区町村や国保組合(保険者といいます)により、加入者(被保険者といいます)が納める保険料(税)によって運営されています。
国保の保険料(税)収納が不足すると、十分な給付が行えなくなり、国保に加入している方の医療費負担が大きくなってしまいます。
助け合いの制度である国保を守るためにも、必ず納期までに保険料(税)を納めるようにしましょう。
病気やケガで病院に行くと、非常に高い治療費がかかるのでみんなでそのお金を負担して分かちあいましょう。という制度ですね。
「保険」と名がついている通り相互扶助のシステムです。
加入対象者
国内に住所がある人全員が対象です。
但し、
●勤務先の会社の健康保険に加入している人とその扶養家族
●生活保護受給者
●外国籍で在留期間が1年未満
●船員保険または国民健康保険組合に加入している人とその家族
●75歳以上の方(後期高齢者医療制度の対象者)
は国保加入義務から除かれます。
多くの人は、勤務先の社会保険に加入してると思われます。
従って、国民健康保険の加入者は
●自営業者とその扶養家族
●社会保険未加入の事業者に勤務する人
●無職の人(生活保護等を除く)
という事になります。
計算方法
国保の支払い金額は、どのように計算されているかご存知でしょうか?
実は、国民健康保険料は全国どこでも一律の負担ではありません。
何故なら、国保は国民健康保険は各市区町村が運営しているからです。
かなりの人がご存じないのではないかと思います。
広島市が高いことは有名ですが、居住している市町村、年収、家族構成、資産などの状況によって変わってきます。
そして、国民健康保険は世帯単位で請求がなされます。
納税義務者は世帯主です。
では、国保の計算方法を見てみましょう。
これが分かると、国保を安くするためにはどうすればよいのか見えてきます。
では計算方法について説明していきましょう。
所得割
カンタンに言えば、所得が高いならその分負担してね。というもの。
「所得が高いから負担してくれてもいいでしょ」という物乞い的発想でそうしているのか、それとも「所得が高い人は無理しているので身体を壊す確率が高いからその分高く負担して」という意味なのかは分かりません。
ただ、世の中の税制度を見ていると、所得が高い人が多く負担するのは当然。という感じに思えます。
では順番に計算しましょう。
まず所得がいくらか確認します。
参考程度に書いておきますが、所得=収入ー経費です。
例えば自営で売上げが1,500万、経費が500万の場合、所得は1,000万円となります。
確定申告の方は、確定申告書内の所得金額の合計金額が所得となり、サラリーマンの場合は、給所得控除後の金額が所得という事になります。(源泉徴収票を見れば分かります)
所得が分かったら、所得から33万円を控除します。
所得ー33万円=基準額となります。
少しややこしいので事例を挙げます。
それぞれの年収は夫505万、妻約167万、子供240万合計912万円とします。
この時の所得はそれぞれ、夫(55歳)350万、妻(53歳)100万、子供(21歳)150万の三人家族となります。
国保の算定をするためには、その所得から一律33万円を減額します。
夫:350-33万=317万
妻:100-33万=67万
子:150-33万=117万
結果、世帯収入501万として計算されます。
この世帯収入に対して、料率をかけたものが所得割です。
医療分、支援分、介護分という三区分の料率適宜適用して決定されます。
医療分のみが、純粋な医療費として使われるものです。
介護分は40~64歳が負担するものです。
書いていて気が付いたのですが、昔はなかった支援分ってなに?
調べてみると、後期高齢者医療制度の開始に伴い新設された制度で、後期高齢者支援金として平成20年から徴収が始まったようです。
後期高齢者の医療のために国が5割、国民が4割、本人が1割を負担する制度で、国民の4割の負担をするために賦課されているようです。知らなかった。。。
ちなみに筆者が住んでいる横浜市は、医療分6.64%、支援分1.99%、介護分2.03%となっています。合計10.66%
モデルの場合
医療分332,664円、支援分99,699円、介護分101,703円合計534,066円となります。(端数未処理)
ちなみに、上限額(横浜市の場合)は医療分51万、支援分14万、介護分12万です。
従って、所得割は534,066円です。
均等割り
所得割は、所得が高い人は高いなりに、低い人は低いなりに保険料を納めてくださいねという制度です。
制度上、所得が安い人の方がお得になる制度ですので、バランスをとる意味で所得が低い人もある程度は負担してね。という制度が均等割りになります。
3人世帯なら3人分、5人世帯なら5人分がかかります。
前述したモデルの場合、3人分必要です。
1人当たりの負担額はそれぞれ、医療分32,180円、支援分9,890円、介護分12,650円となり
合計151,510円となります。(端数未処理)
モデルの場合子供は介護保険がかからないので除いています。
所得割+均等割りの合計金額の上限が決まっており、横浜市の場合、医療分54万、支援分19万、介護分16万ですので、
モデルの場合、医療分540,000円、支援分149,890円、介護分132,650円の合計822,540円の負担となります。
平等割
均等割りと同じような考え方ですが、均等割りは人数に対して賦課されてますが、平等割は世帯ごとに賦課されます。
横浜市はありません。
資産割
国保制度の最大の謎です。
なぜ、不動産を持っていると健康保険負担が増えるのか?
まったく納得いきません。
お金持ちなんだから多く負担してくれてもいいでしょ的な思考は、典型的な泥棒課税です。
横浜市ではありません。
国保、やってはいけない損な払い方
節約の前に損している人の話をしましょう。
yahooウォレットの支払いです。
クレジットカードによる公共料金支払いが可能ですがはっきり言って損です。
国保の料金とは別に手数料がかかりますので、便利だという以外メリットがありません。
むしろ損ですから選択肢とはナシです。
制度が変わったことにより節約困難に!
国保のシステムは昔、住民税連動方式を採用していた自治体がありました。
しかし、住民税連動システムは不公平感が強かったのです。
節税して所得税が安くなれば住民税も安くなってしまいますからね。
そこで、平成25年度に所得金額連動の国民健康保険料計算になりました。
その為、制度変更前は住民税を安くする方法が、イコール国保を安くする方法だったのですが、使えなくなってしまいました。
更に言うと、所得連動性になったので負担増になったのは言うまでもありません。
国保を節約、安くする方法
さて、いよいよ本題です。
カンの良い方はもうお気づきかもしれません。
所得控除が使えないのならほとんど節約の術がないのではないか?と。
確かに、節税は社会保険料控除や扶養控除、生命保険料控除などがキモなのですが、国保の計算上一切勘案されません。
非常に厳しい国保の節約。本当に手立てがないのでしょうか?
なさそうですがそれでも考えるのを止めたらそれまでです。
国保が安くなる方法について考えてみたいと思います。
所得を下げる
累進課税的なシステムの国保ですので、所得が安ければ国保の支払い金額も下がります。
この所得が安ければ安いほど保険料は下がります。
但し、所得がさがれば生活も苦しくなりますので、この方法が得とは言えません。
世帯をまとめる
世帯割(平等割)がある自治体の場合、一緒にまとめると保険料が節約できます。
例えば二世帯住宅で居住している場合、それぞれ別世帯にするよりも二世帯をまとめて一世帯にしたほうが節約になります。
安い自治体に引っ越す
前述した通り、国保は自治体で運営していますのでその料金はマチマチです。
安い自治体と高い自治体では2倍近く差が付くこともあるので、引越しは十分検討すべき要素です。
特に川を挟んで行政区が違う場合、車通勤でそれほど市区町村にこだわらない場合などは有効な節約方法です。
浦安が安いという情報がありますが、検証していません。
近くに住んでいる方は、調べてみてください。
法人化
個人事業での所得は売上げー経費で所得が算出されます。
一方、給与所得者は支給額ー給与所得控除で所得が算出されます。
従って、制度的には給与所得者の方が有利な制度になっています。
そこで、個人事業→法人化してしまうという方法があります。
但し、法人化に伴い法人の住民税、社保の会社負担などが新しく発生してくるのでどちら得かシュミレーションが必要です。
賃貸用不動産を購入する
賃貸用不動産の不動産は総合課税ですので国民健康保険に影響してきます。
但し、何でもいいから賃貸用不動産を購入すれば良いのではありません。
ポイントは「減価償却」これが多額に計上できる不動産を購入すると、収益が赤字になりその他の所得から差し引くことができます。
減価償却はキャッシュアウトする金銭ではなく、税務計算上の経費ですから実際に赤字が出る訳ではありません。
減価償却の大きい不動産は価格に対する建物の評価が高いもので、残存耐用年数が短ければ短い程、お得になります。
青色申告する
確定申告をしている人でないと使えない制度ですが、確定申告には白と青があり、青色申告をすると最大65万円収入から控除(青色申告特別控除といいます)することができます。
また専従者給与を払っている場合、その分も所得から除外されますので、大きな節約要素です。
但し、市区町村によって青色申告特別控除や専従者を除外して国保料を算出することもあるようですので、お住まいの自治体にご確認ください。
国民健康保険組合
国民健康保険と名前が非常に似ているのですが、異なるものです。
国保は市区町村が運営していますが、国民健康保険組合はその名の通り「組合」が運営してます。
例えば建設業の組合が作っている土建組合など。
年収によって損得があるのですが、私も昔健康保険よりも土建組合の保険の方が安くなると知って加入していました。
「国保組合の種類」とか検索すると出てきますので、入れそうな組合があれば検討してはどうでしょう。
投資になる経費をつかいまくる
利益をだすと国保があがるのなら、経費を使いまくって所得を減らせば国保費用は削減できます。
但し、無駄に経費をつかうのは浪費以外の何物でもありませんし、何より生活ができなくなります。
従って、将来お金を生むような経費。つまり投資にお金を使うのです。
資格を取るための学校でもよいでしょうし、書籍の購入費でもよいでしょう。
ひたすら稼ぐ
前述した通り国保はその上限が決められています。
ということは、上限規定を超える所得を得ることができれば、相対的に保険料率は下がることになります。
その自治体の医療分の上限が540,000円なら、年収1,000万でも2,000万でも54万円は変わりません。
稼げば稼ぐだけ費用負担割合が減ることになります。
就職
もう身も蓋もない対策ですが、社保のある会社に就職すると会社が半分負担してくれます。
個人での負担は半分ですからかなり節約できる事になります。
自営が就職することはなかなかないじゃん!と思うかもしれません。
しかし、会社の役員などで報酬が自由となればやりようはいくらでもあります。
自営を続けたまま、社保適用会社の役員、社員になれば良いのですから。
前払い制度
現時点で実施している自治体を見つけることができませんでしたが、1年の保険料を前払いすると割引になる制度がありました。
お住まいの自治体にご確認してください。
国保、年金を払って少しでも得をする方法
次は、どうせ払うなら少しでも安く払う方法はないか?考えてみたいと思います。
nanacoで支払う
nanacoは税金が払えるカードとして有名ですが、単にnanacoで払って1円の得にもなりません。
ポイントは、nanacoにチャージすることでポイントが貯まるクレジットカードを使うことです。
現時点では、楽天のカードがnanacoチャージで1%ポイントが付くのでお得感があります。
ちょうど楽天カードを作るだけで7,000ポイント貰えるキャンペーンやっています。
楽天は1ポイント1円ですから、カードをつくるだけで国保が7,000円節約できますね。
確定申告する
国保を払っている人の中で、源泉徴収されていない人や年末調整していない人が一定数いらっしゃると思います。
また、自営業者は必然的に確定申告をすることになります。
これらに該当する方は、年中に支払った国保、年金の費用を所得控除として申告することが認められています。
所得の多寡によりますが、払った金額の5%~45%が還付されます。
楽天ポイントを使う
楽天ポイントを使って国保を払うことはできませんが、裏技を使うと可能になります。
どういうことかと言うと、楽天ポイントはそのポイントで投資信託で購入することができるのです。
もうお分かりですね。
楽天ポイントで購入した投資信託を売却すれば、それは現金に代わります。
もちろんその現金で国保を保険料を支払うことができるのです。
楽天ポイントはnanacoだけではなく、普段の生活でも使い勝手の良いカードですから1枚は持っていて損のないカードです。
最後に
昨今、年金の75歳支給問題などが取り上げられています。
将来のことはわかりませんが、国保の場合は国民年金です。
国民年金は現状月額16,490円です。
40年間加入しても7,915,200円しか支払えません。
払った分以上の年金がもらえるという話ですが、現状でも毎月平均5万円程度だそうです。
ハッキリ言って、国民年金では老後の生活はできませんし、それはこのブログをお読みいただいている読者さんなら即理解できると思います。
ということは?
国民年金だけでは不十分なので不足する分、自力で対策をする必要があるということです。
国民年金では全然足りないから、社保にするのか?
国民年金では全然足りないから、別に老後の資金を確保するのか?
「明るく楽しい老後」というゴールは同じですが、道のりは複数です。