ローンの本質的な意味
あなたは今、ローンを組んでいますか?それとも、ローンを組もうとしていますか?
もしそうなら、この先の記事をしっかり読むことをお勧めします。
そもそもローンとは?
ローンの本質的な意味を理解している人が少ないので、まず結論を書きます。
ローンとは、「将来の収入を先に使うこと」です。
まだ得ていないお金を使う行為。それがローン。
大きな買い物を、無理なく少しづつ払うお財布に優しいシステム。なんていうのは幻です。
これは、企業が消費者をより消費しやすくするための洗脳です。
支払の担保は将来の所得。という事になります。
ローンの商品代金と得られるもの
ローンの商品代金って何だと思いますか?
あなたが払う金利そのものが、ローンの商品代金です。
では、得られるものは?
「購入した物」ではありませんよ。
金利という名の商品代金を払って得らるものは、「期限の利益」という商品です。
期限の利益とは、簡単に言うと、分割払いの権利です。
例えば、今日100万円借りた場合、原理原則ですと、いついつ100万円を一括で返す。という事になるのですが、分割払いの権利を得ると、毎回1万円+利息の支払いで100分割払いになる。という具合です。
ローンを利用すると失うもの
先に結論を書いてしまったので、今更書くまでもありませんが、将来の収入を支出することを現時点で決定したわけです。
例えば毎月30万円の収入があり、ローンの返済が毎月3万円の場合、次月からは毎月27万円で生活をしなければいけない事になります。
30万円の収入の分だけ税金を払っているにも関わらず、27万円しか手元に入ってこないのです。
もし、病気やケガで、収入がゼロ円なった場合、ローンを組んでいなければ、収入がゼロのままですが、ローンを組んでいる場合、マイナス3万円から生活が始まることを意味します。
自分自身の将来の収入は、保証されている訳ではありませんよね。
しかし、支出は保証されてしまうのです。
ローンを使ってメリットがある場合とは?
では、ローンを使うことのメリットを考えてみましょう。
お金が貯まらないと手に入れられないものを、現時点で手に入れることができる。
これに尽きますよね。
例えば、所有するマイホームの給湯器が壊れてしまった。
修理代は、10万円。
毎月1万円貯めることができれば、10か月後に給湯器の修理ができる。
これ現実的でないですよね。
本来10か月後にしか直すことのできない事が、今すぐ修理できることはメリットになります。
時間的な利益です。
もっとも、自宅を持っていて、10万円の貯金もできないのはどうかと思いますが、、、
時間的なメリットは二つの見方ができます。
一つは、緊急性があるものです。
給湯器の例のように、今すぐに対処しないと損害が大きくなる場合ですね。
二つ目は、継続的な要素です。
例えば、ブランドバック。
10万円のバックを毎月1万円貯めていては、10か月後でないと手に入りません。
しかし、ローンを組めば、今すぐ使えますから、10か月貯めるのと今すぐ使えるのとでは、10か月もの時間的利益が生じます。
実は、ローンの金利はこの10か月(ローンの期間)の利益を得るためのコストなのです。
特にマイホームは注意が必要
住宅は、人生の中でおそらく一番高い買い物になると思います。
その住宅ですが、木造住宅の場合、築20年で査定がゼロになることが珍しくありません。
例えば建築費2000万円かかった家は、毎年100万円価値が低下していきます。
そのような状態の家を、毎月10万円の返済(元金7万円、利息3万)のローンを組んだとしましょう。
1年に返済する元金は、7×12=84万円です。
しかし、建物の価値が落ちるのは、年間100万円ですから、毎年赤字が16万円増えていく。という事になります。
この当たり前の理屈が分かっていない人が、住宅ローン破たんするのです。
ローンは得か損か判断する方法
先に書いたように、ローンの金利は、時間的利益を得るためのコストですから、得ることのできる利益が、金利というコストと見合わないと、損をするという事になります。
若干乱暴な表現ですが、緊急性のない商品は、ほとんどが「無くても良いもの」なのです。
ブランドのバックが無くても生活に支障はありませんし、スマホが無くても、ガラゲーで十分です。
「欲求」を満たすためのローンは、浪費以外の何物でもありません。
さて、この記事も最後になります。
先の例で言えば、ブランドのバックを今直ぐ購入して10か月使えば、中古になります。
今から貯金をして、10か月後に同じバックを中古で買えば、新品よりも圧倒的に安く買えます。
つまり、新品のバックを今すぐ買うコストは、「新品のバック代」+「金利」となり、中古のバックを10か月後に買うコストは「中古バック代」となる訳です。
バカバカしい程、差が付きます。
お金の考え方というのは、こういう思考でものを考えることです。
ローンを使う場合、「将来値上がりが確実なもの。金利以上の財産的価値があるか」を見極めましょう。