宝くじの本当のネーミングとは?
貧乏な人程無駄なものにお金を突っ込んでいるなと思います。
典型的なものが、宝くじ。
売上げの内、45%程度しか配当に回されません。
宝くじの法律
当せん金付証票法という法律があります。
この法律。
読んだことありますか?
第4条:都道府県等の当せん金付証票の発売には、宝くじの発行の目的が定まっています。
宝くじは、公共事業その他公益の増進を目的とする事業のために発行しています。
発行できるのは、都道府県、政令指定都市となっています。
従って、宝くじは庶民の夢のために発行しているのではなく、公共事業をするために発行しているのです。
収益は発行元になります。
簡単に言うと、キャッシュバック期待付きの税金なんですね。
更に第5条では、当せん金は「発売総額の五割に相当する額」を超えてはいけないと書いてあります。
つまり、どんなに当たっても、当せん金は売上げの半額以下としなければならないのです。
参考に書くと、競馬の連勝複式の配当率は75%、複勝は80%、パチンコはだいたい80〜90%程度です。
話を戻しましょう。
同じ5条には、1等の上限金も決まっています。
基本は「一枚の発売額の50万倍に相当する額を超えてはならない」となっています。
300円の場合は1億5千万円です。
この条文に但し書きがあり500百万倍までは理屈上OKという事になっています。
この辺に貧乏人を釣る仕掛けがあると私は思っています。
少しでも金融リテラシーのある人であれば、確率の低い1等の金額を上げるよりも、1,000万円程度の当選を増やした方が圧倒的に良いと思うのですが、そうでない人が圧倒的に多いのでしょう。
宝くじを売るといくら儲かる?
さて、販売する店舗はどのくらいの販売手数料を受け取っているのでしょうか?
調べてみたところ、5~9%程度が販売手数料のようです。
総務省の資料を見ると、全体平均で7.39%となっていました。
宝くじを印刷、運送する費用の割合が0.92%
販売経費全体で14.20%
配当は45.67%
最終利益率は40.13%という結果です。
従って、300円の宝くじを購入した場合、販売経費が42円、発行団体の利益120円合計162円が自動的に引かれる計算。
投資的視点から見ると
前述したように、販売者利益、販売経費を引いて残った137円の集合体を、購入者で奪い合う結果となります。
株の世界で言えば、株を300円で購入した瞬間137円になる所からスタートするようなものです。
投資の視点から見れば、いかにバカバカしいか分かりますね。
宝くじは、貧乏人に対する税金、貧者の税金、愚か者の税金と呼ばれる所以はここにあります。
よく、宝くじは買わなきゃ当たらないといいますが、では当たる確率はどの程度なのでしょうか?
1等が当たる確率は0.0000001%とも言われています。
前後賞とか2等、3等を入れ込んでも、統計学的には大差ありません。
宝くじを1枚買うよりも2枚買った方が当選確率2倍になりますが、こちらも統計学的にはどちらもゼロで同じなのです。
統計学的には300,000分の1以下の確率は「ゼロとみなす」とされているからです。
従って、投資的観点から見ると、宝くじはお金をドブにすてるのと同じ愚かな行為だと言えます。
視点を変えると宝くじの良さが見えてくる
ボラティリティという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
資産変動の激しさを指す言葉です。
宝くじは1枚300円程度です。1等の当せん金が1億5,000万円ならば、投下した資金が50万倍になるかもしれません。
ここがキモなのです。
但し、前述した通り2枚買っても、当せん確率は2倍にはなりません。
数学的には2倍になりますが、統計学的にはゼロのままです。
従って、投資ではなく、ボラティリティ視点で宝くじを購入するのなら1枚買うのがもっとも効率の良い買い方になるという訳です。
宝くじの本当のネーミングを考えてみた
「貧乏人でも貢献できる公共事業促進券」でどうでしょうか?
ろくに所得税を払っていない人、ろくに住民税を払っていない人でも納税できる制度。
宝くじは或る意味、素晴らしいじゃないですか!
どんどん納税していただければ、街が豊かになります。